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DXに2,000万円使って何も残らない事業会社の共通点

DXに2,000万円使って何も残らない事業会社の共通点

事業会社がDXに投じる年間予算は、平均2,000万円前後と言われる。3年で6,000万円。にもかかわらず、経産省「DXレポート」では国内企業の約7割が「成果を実感できていない」と回答している。

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要するに、多くの事業会社はDXの名目で数千万円を投じ、ほぼ何も残らないまま3年を終えている。これは予算規模の問題ではなく、構造の問題だ。失敗している企業には、はっきりとした共通点が3つある。

共通点①:KPIが財務に接続されていない

最も多い失敗は、「DXで何を達成するか」のKPIが、財務諸表のどの行も動かさない設計になっていることだ。

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たとえば従業員120名の地方製造業A社では、「DX推進室」を立ち上げて2年が経過した。設定されていたKPIは「DX関連の取り組み件数」と「社内勉強会の開催回数」。件数は順調に積み上がったが、売上にも粗利にも一切影響しなかった。投じた2年間の人件費とツール費、合わせて約3,500万円は、戻ってこない。

成果が出る企業は、KPIを必ず業務削減時間・粗利改善率・受注リードタイムといった財務に接続する指標で切る。「経理の月次決算を5営業日から2営業日に短縮」「営業事務の工数を月100時間削減」のように、円換算できる粒度で定義する。経営層がこの作業をサボった瞬間、現場は何を頑張ればいいかわからなくなる。

共通点②:情シスへの丸投げで現場が動いていない

次に多いのが、経営層がDXの方針だけ示し、実行を情シス1〜2名に丸投げするパターンだ。

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ある小売業B社は、全社員にCopilotライセンスを年間1人あたり3万円で配布した。従業員200名で年間600万円。半年後の利用率は2割を切っていた。導入前に各部門の業務を棚卸ししていなかったため、「自部門のどの業務をAIに置き換えるか」が現場で具体化されなかった。結果として、毎年600万円の固定費だけが残り、業務は何も変わらない

事業会社のDXは、経営層・部門長・情シスが同じ意思決定テーブルに着かない限り進まない。大企業のように専任部隊が現場を巻き込む人的余裕はないからだ。四半期ごとに部門長が「自部門で削減したい工数」を出し合い、情シスがそれに対応する技術スタックを決める。この業務単位の意思決定がない会社で、DXが定着した事例はほぼ存在しない。

共通点③:ツール選定が業務分析より先に走っている

三つめは、業務の棚卸しを終える前にツールを決めてしまう失敗だ。

ベンダー営業に押されて「まずCopilotを全社展開」「まずSalesforceを入れる」と決めると、業務との適合度の検証が後回しになる。ツールは入った。だが業務は変わらない。残るのは年間数百万〜数千万円のライセンス費だけ、という事態が起きる。

正しい順序は、業務棚卸し → 削減効果の試算 → ツール候補の比較 → 短期PoC → 本展開だ。とくにPoCは1〜2ヶ月の短サイクルで回し、効果が出ない業務は早めに見切る。生成AIの世界では、半年前のベストプラクティスが今は古いことが珍しくない。ツール選定を固定化せず、業務側の課題を起点にし続けることが、事業会社の現実的な勝ち筋になる。

3つは順番で詰める

KPIが財務に接続されていなければ、体制を整えても何を達成するか曖昧で空転する。体制が経営直結でなければ、いいツールを入れても現場で使われない。KPI → 体制 → ツール、の順で詰めることが、6,000万円を無駄にしない唯一の道筋だ。

コアネストでは、この3層を経営層・現場・技術の三方向から同時に動かす伴走モデルで、事業会社のDXを支援している。まずは自社のDXがどの層で詰まっているかを可視化することから始めるのが、最も投資対効果の高い一歩になる。

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